page157: AIが身体と接続する日
未来のことは誰にもわからない。しかし、世界のどこかでは未来がすでに始まっている。テックの未来を予想するより、先行している都市を観察した方が早い。先進国が未来を作るのではなく、「先行都市」が未来を作ると言えるのかもしれない。
テックの未来にはユートピアとディストピアが混在する複雑な世界が見えるようだ。いずれ、人間(ヒューマン)とAIロボット(ヒューマノイド)が共存していく世界になるのかもしれない。まるで、ドラえもんのような世界だね。
数年前から本格的になったAI時代は、ホワイトカラーの仕事の多くを自動化、そして無人化していくことは確実だろう。AIエージェントという人間の補助者がいずれ主役になり、人間が補助者になることは容易に想像できる。
教育の世界も残酷で、教師をサポートするAIと主従が入れ替わり、教師はチューターのような役割に転じざるを得ないのではないだろうか。オンラインスクールなどはAIだけで完結するようになるのかもしれない。このような主従関係の逆転は今後いろいろな世界で起きそうだ。
現在の労働市場はホワイトカラーはだんだん下火になり、ブルーカラーが再評価され始めたが、この傾向がずっと続くかといえば、そんなに単純でもないだろう。
今は人手不足でブルーカラーの需要が高騰しているが、それもロボット時代が本格的になるまでの一時的なボーナスなのかもしれない。
単機能のロボットは単純労働しかできないが、AIがロボットと接続する未来はもうそこまで来ている。脳みそだけのAIに、手足がついて、本格的に自律行動ができるようになると、いよいよブルーカラーも怪しくなる。
現在は二足歩行のロボットがコケれば多くの人は馬鹿にするだろうが、それはAIの黎明期でも起きた話だ。いずれ、技術の驚異的な進化に誰も馬鹿にできなくなると思う。
中国の深圳という都市は、1980年では約30万人の地方都市だったそうだが、現在は約1800万人の巨大都市となったというから驚く。この新しい都市では自動運転で無人のタクシーが走り回り、ドローンによるフードデリバリーも日常になっているという。決済の主役は現金やカードより、スマホのQRコードだという。自分は行ったことがないが、まるで、巨大な未来の実験都市のようだ。
その先行都市で今は人間がロボットに身体の使い方を教えている。しかし、それはAIと融合したロボットが人間から仕事を学んでいる過渡期なのかもしれない。
身体で人型ロボットを操る「操縦士」が、中国・深圳で新たな職業になりつつある
AIに脳を奪われ、ロボットに身体を奪われたとき、人間には何が残るのだろうか。