page177: 労働が消えていく未来

人類は長い年月、労働で苦しめられてきた歴史がある。
資本主義社会の歴史を見ても、労働者が広く豊かさを実感できた時代はそれほど長くは続かなかった。日本では高度成長期あたりだろうか。

バブルが弾けた後の平成時代はブラック労働が社会問題になったが、令和時代になって表向きはホワイト化しても、労働が苦痛にならなくなったかと言われれば、決してそんなことはない。満員電車に揺られる労働者たちは、昭和も平成も令和も、いつの時代でも暗い顔をしている。

しかし、蟹工船のような極端な奴隷労働は別として、労働が完全に悪かと言えば、そうでもないと思う。
労働にはお金との交換以外にも多くの価値があると思う。
「やりがい搾取」と表裏一体ではあるが、自己実現や自己成長の機能もある。
社会との接続機能もあり、職業は社会での名札のようなものだ。
定年退職した「無職」のオジサンたちを見れば、アイデンティティを失った不幸そうな人たちにも見える。

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AIがエージェント化し、より自律的に仕事をする方向へ進んでいる。
AIとロボットが接続し、ヒューマノイドへ向かう流れもすでに始まっている。
それらが実現するのは数年後なのか、数十年後なのかはわからない。
今後はヒューマノイドという資本を所有する、ヒューマノイド資本主義が誕生するのだろうか?

しかし、ヒューマノイドが完全に自立化すれば、人間なしでも生産・修理・再生産が回る「オートノミクス(自律経済)」社会が来ることになり、そこで人間の労働は消失してしまう。
労働どころか、ヒューマノイドが自ら起業してしまう未来もあり得る。
まるで、「ドラえもん」のような世界だが、ここが人間が資本主義社会の主役から蚊帳の外になる転換点だろう。

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人間が労働をするいちばんの目的はお金を得るためだ。その得たお金で生活をするのだから当然だ。
しかし、労働が消えてしまったら、どのようにしてお金を得ればいいのだろうか?
旧労働者階級はベーシックインカムに頼るしかないのだろうか?
スポーツ選手や芸能人のようになるしかないのだろうか?

いずれにしても、ヒューマノイドに面倒な労働を任せれば、人類はみんなハッピーになるという単純なユートピアではないはずだ。政治家だけでなく、個人も、人間の労働がどんどん減っていく未来をどう生きるか真剣に考えなければならない。

預言者でもなければ、未来を想像できるのはせいぜい10年が限界だろう。それから先は今からでは想像もできない世界に生きることになると思うから、あまり意味もない。

人間が機械と会話する未来を20年前に本気で言っていたら、病院の受診を勧められていたが、そんなSFのような未来が呆気なく今は実現してしまった。21世紀ではとうてい無理だと思っていたのに...。

人間は変わらないが、時代はどんどん変わっていく。
これからの時代は、「馬鹿も休み休み言え」と笑っていた側の人間が、いつの間にか時代に取り残され、病院の受診を勧められてしまうのかもしれない。

created: 2026-09-20 18:37:20
updated: 2026-09-21 11:23:36